124,800。この数字は何を示しているのでしょうか。そう、最新のiPhone15の価格です。この金額でパソコンを購入することができるほどです。
ガラケーとスマホの価格差
一方、かつてのガラケーは1〜3万円で購入できました。では、なぜスマートフォンの価格はここまで跳ね上がったのでしょうか?
その答えはAppleの戦略にあります。
その過程を理解するために、まずはスマートフォンの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
スマートフォンの歴史
多くの人は最初のスマートフォンがiPhoneだと思っているかもしれませんが、それは誤解です。実際には、最初のスマートフォンは1994年にIBMが発売した「Simon」でした。
このデバイスは6インチのタッチスクリーンを搭載し、アプリケーションを使用することができ、現在のスマートフォンの原型となりました。しかし、高価で普及しませんでした。
スマートフォンの普及とiPhoneの登場
次に注目すべきは2007年に登場したiPhoneです。このデバイスはマルチタッチやピンチ・トゥ・ズームなどの革新的な機能を備え、スマートフォン市場に革命をもたらしました。
特に2008年に発売されたiPhone 3Gは3G通信に対応し、App Storeからアプリをダウンロードできるようになり、多くの日本人ユーザーに愛されました。初代iPhoneは8GBモデルが7万4800円でしたが、iPhone 3Gは4万9800円と大幅に値下げされました。
Androidの登場と競争の激化
iPhoneの成功を受けて、GoogleはAndroidを発表しました。最初のAndroid搭載スマートフォンはT-Mobile G1でしたが、日本ではHTC Magicが初のAndroidスマートフォンとなりました。
HTC Magicは6万4800円と比較的安価でしたが、iPhone 3Gほどは普及しませんでした。それでも、Androidの存在を日本に知らしめる役割を果たしました。
スマートフォン価格の急上昇
では、スマートフォンの価格が急上昇し始めたのはいつからでしょうか?それは2017年のiPhone Xの発売からです。iPhone 8の64GBモデルが7万7800円だったのに対し、iPhone Xは64GBモデルが11万2800円と大幅に値上げされました。
iPhone XにはFace IDなどの新技術が搭載されており、Appleはプレミアムモデルを作り出すことでブランドの高級感を高める戦略を取りました。これを見て、GoogleやSamsungも高級モデルを次々と発表しました。
高価格スマートフォンの利点とトレンド
iPhone Xは999ドルという高価格設定にもかかわらず、売上は好調でした。高価格スマートフォンは利益率が高く、メーカーにとって重要な収入源となります。そのため、メーカーは新技術を搭載し、高価格なスマートフォンを売ることが主流になっていきました。
こうして、iPhone Xの高級化路線により、他の企業もスマートフォンの高級化路線に乗り出し、価格が高騰していったのです。
つまり、スマートフォンの価格が上昇したのはAppleの影響が大きいと言えます。
ただし、新技術の開発にはコストがかかるのも事実であり、スマートフォンの高価格化は遅かれ早かれ避けられなかったのかもしれません。
結論
スマートフォンの価格が上昇した背景には、Appleの高級化戦略とそれに追随した他のメーカーの動きがありました。新技術の搭載に伴うコスト増も影響しています。これらの要因が重なり、現在の高価格スマートフォン市場が形成されたのです。
ただ、スマホのシェアの奪い合いは激化していたため、高級化は遅かれ早かれやってきたかもしれません。
新技術の搭載にコストがかかるのも事実です。
Appleが悪者というわけではありません。
なので、なるべくしてなったと言えるのかもしれません。